カラダにはバリア機能があり、粒子が大きく育毛剤は皮膚からは浸透しません。浸透するならばい菌も入ってしまいます。

塗布するタイプの育毛剤は、一般的には髪の毛をつたって毛乳頭に作用させます。

頭皮以外に髪の毛に付着したり、毛穴の奥に潜んでいる皮脂汚れなどが妨げとなり、全体の2割程しか毛乳頭に到達しません。

塗るタイミングも重要です。しっかりシャンプーした直後に、髪の毛や頭皮が濡れた状態で育毛剤を塗布すると、水分がジャマをして奥まで届かないので、しっかり乾かした後に塗るのがお勧めです。

ミノキシジルは、塗り薬（市販品ではリアップなど）と、飲み薬のミノキシジルタブレット（ロニテンなど）があります。元々、高血圧の治療薬（血圧抑制剤）で、副産物として毛が増えたことで、育毛効果があるという事で処方されていますが、育毛剤ではありません（育毛剤という薬はありません）。

日本では、血圧抑制剤としても認可されていませんし、日本皮膚科学会の脱毛ガイドラインでは、内服は最低のDランク（行うべきではない）です。

服用すると髪の毛以外の体毛（まゆ毛、頬や背中・腕や脚など）も増加し、中止すると髪の毛は抜て、服用を継続しても効果は低下すると、ロニテンの医薬品各条に記載されています。また、利尿剤を併用しないと浮腫み症状がでて、医薬品各条にうっ血性心不全を引き起こしかねないとの記載があります。

生涯服用を継続する薬ではありません。

前立腺肥大薬として、日本を含めて沢山の国で認可されています。男性ホルモン（５αリダクターゼ）を抑制して、高い育毛効果があると説明されています。商品名としてプロペシア、さらに育毛効果が高いザガーロ（デュタステリド）は、日本と韓国のみで認可されています。

ミノキシジルのように、副産物として髪が増加することは実証されていません。

副作用として、精力減退、ED、うつ、精子量の減少などの報告があり、２年以上継続すると副作用のリスクが高まるというデータが発表されています。

男性の薄毛（AGA）のお悩みを放置すると、進行する可能性があり、薄毛がより顕著になるという問題があります。さらに、髪のボリュームの減少や抜け毛が進むことで、自己イメージや外見に対する自信が低下し、心理的な負担を感じることがあります。また、薄毛は周囲の人々に気づかれやすく、社交的な場面や人間関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。

男性ホルモン以外にも、ストレス、睡眠不足、栄養不足、喫煙、運動不足、頭皮環境の汚染などの要因が、薄毛や抜け毛の原因となります。